卓球ドイツ代表が中国の帰化選手ばかりなワケ。

2016年、リオデジャネイロオリンピックも無事終わりましたね。
日本は過去最多となる41個のメダルを獲得し、メダル獲得競技のみならず、たくさんの感動と勇気をもらい、思いやりと優しさを感じることができた、素晴らしいオリンピックでした。
そんな中、女子卓球の試合を観ていて、あれっ?と思った方も多かったはずです。それもそのはず、ドイツ代表3名のうちの2名が中国からの帰化選手。それでもドイツ代表として戦う選手たち。なぜ、このような事が起きるのか、さまざまな視点からその事情を紐解いていきます。

ドイツに帰化する理由

中国の人口は13億7千万人(2015年の統計)です。そして卓球の中国国内の競技人口は3000万人以上いるといわれ、愛好者は2億人とも3億人とも言われています。
そもそも卓球の競技人口がこれほど多い中からオリンピック代表になるのは、本当に難しい事です。
大きなピラミッドの頂上、代表選手を目指し多くの選手の中から更に更にふるいにかけられるわけですから、気の遠くなるような確率ですね。そして自ずとレベルも上がるわけです。

 

そんな中、自国中国からオリンピック代表になれる可能性のある選手は自国にとどまりますが、オリンピック以外の海外大会にすら出ることができない強者も数多く存在し、他国ではトップになれる可能性の高い選手が他国へ渡り帰化して代表となるわけです。

つまり中国本国の代表にはなることは不可能とはっきりしている選手や引退を示唆された選手が海を渡り、他国の国籍を取得して代表の座を世界に求めたということですね。

多くの国の中でドイツに帰化する理由

そこで帰化する先がなぜドイツなのかというと

ヨーロッパでは以前から卓球が盛んで各国(主に東欧)にプロリーグがあるのですが、その中でも最も有名な『ドイツブンデスリーガ』があるという事が大きいといえます。

中国プロリーグ『中国超級リーグ』と『ドイツブンデスリーガ』はレベル的にも均衡していると言わているほどです。
金銭的な事情も良く、そこで勝つ事により収入的な面においても大きなメリットを期待出来るからなのです。
このようにしてドイツに限らず卓球の盛んなヨーロッパをはじめ世界各国に帰化した中国系選手が増えていきました。
現在もその数は増加傾向にあるようですがそこからはなんとしてでもオリンピック代表になりたいという中国人の卓球に対する思い入れの強さが感じ取れるかと思います。

今回のリオオリンピックにおいて卓球の各国出場選手80名の中で34名が中国系の選手でした。ドイツをはじめ、フランス、オーストラリアスペイン、カナダ、シンガポール、ポルトガルなどの国に帰化し出場していました。

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しかし実際卓球でメダルを獲得できたのは中国の金4銀個、2個の計6個、日本は銀1個銅2個の計3個、ドイツは銀1個、銅1個の計3個、北朝鮮 は銅1個でした

そう考えると改めて日本ってすごいですよね。

帰化選手の意味と、その歴史

帰化とは自分自身の持つ国籍を別の国籍に変えることを指します。二重国籍(多重国籍とも言います)が認められる国でそれまで活動してきた国とは別の国籍を取得し、取得した国からの代表選手になることです。

帰化選手は卓球のみならず、特に日本に帰化した選手の中でも有名な競技が相撲ですね。これは相撲が国技とされている以上、親方株を取得する際にどうしても日本国籍が必要となるからです。

有名どころでは高見山大五郎・曙・小錦・武蔵丸さんなどなど。またサッカーのラモス瑠偉さん、田中マルクス闘莉王さんなども皆さんの知るところかと思います。

帰化選手が代表となるようになった歴史は古く、代表選手になれるかどうか競技によって制約があるようですが、数十年前から帰化選手がオリンピック選手になるようになり、今では珍しい事ではなくなりましたね。

日本でも、猫ひろしさんが、カンボジア国籍を取得してカンボジアからのマラソン代表として、リオオリンピンクに出場したことが話題になりましたね。

アスリートとしてオリンピックにかける思いはそれぞれで、やはり頑張ってきているからには夢舞台に立ちたい気持ちからなのでしょう。

東京オリンピックへ

じつは卓球競技において1950年から1970年代は日本が強く、1952年の世界卓球では初参加の日本が4種目で優勝という金字塔を打ち建てた時代もありました。
そこからなかなか結果が出せない時期が長く続きましたが今回のリオでは男女ともにメダルを獲得!
日本の卓球は日本人のみでとても強くなってきているので次回の東京オリンピックがとても楽しみですね。2020年!再び、みんなで応援して盛り上がりましょう!

筆者も温泉卓球にて、腕を磨きたいと思っています。

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