冬も真っ只中の季節を迎えるとつかわれる時候の挨拶に「厳冬の候」があります。
いかにも「冬!!すごく寒い!!」といった字面の言葉ですが、どのように使っていくといいのでしょうか!?
時候の挨拶は、ビジネスの場でも親しい方への手紙でも冒頭に使われる文面に使えるので覚えておくと何かと便利です。
使用時期や意味を理解して手紙を書くときに活用してみましょう。
「厳冬の候」の読み方や意味、使う時期などをまとめてみました。
「厳冬の候」読みや意味は?
「厳冬の候」は「げんとうのこう」と読みます。
時候の挨拶は漢語調の挨拶文なので基本的に音読みで読みます。
「厳冬」はそれぞれの漢字をそのまま音読みにすればいいのでそんなに難しくありませんね。
「厳冬」は俳句の季語としてもつかわれる言葉で、「冬の寒さが最も厳しい頃」という意味です。または「寒さが厳しい冬」そのものを指す場合もあります。
「~の候」は「~の季節になりましたが」「~になりました今日この頃」といった「今」を表す言葉です。
したがって「厳冬の候」は、「冬の寒さが一段と厳しい季節になりましたが」「寒さが厳しい今日この頃」といった言葉になります。
凍てつくような寒さが感じられる極寒の冬らしい言葉ですね!
「厳冬の候」使うのに適した時期は?
厳冬の候は冬の最も寒い時期に使う言葉です。まあ冬は常に寒いですけれど、最も寒いのはいつでしょう。
冬の最も寒い時期とは、二十四節気でいうところの小寒、大寒の時期です。つまり寒の入り(2017年は1月5日)から立春(2017年は2月4日)までとされています。
しかし、1月7日の松の内までは「新春の候」「初春の候」「迎春」「謹賀新年」など正月らしい時候の挨拶のほうが向いていますね。
したがって「厳冬の候」は、正月明けの1月7日~2月3日の節分の頃までが使用に適した時期といえます。
大雑把に1月いっぱいと覚えておくのもいいでしょう。
同じ時期に使える時候の挨拶には「厳寒の候」「寒冷の候」「大寒の候」「小寒の候」などがあります。
「厳冬の候」を使った例文
それでは「厳冬の候」を使った例文をご紹介します。
ちなみに手紙の基本的な構成は簡単に言うと
- 頭語(「拝啓」・「謹啓」など)
- 時候の挨拶(”厳冬の候”など)
- 相手の安否を尋ねる言葉
- 本文・結びの言葉
- 結語(「敬具」・「謹白」など)
の順番となります。
ビジネス文章の場合でも、親しい方への手紙でも基本はこの流れに沿って書くとしっかりまとまりますよ。
それではシーン別に例文を紹介していきます。
ビジネス文章での例文
取引先、顧客へのお手紙にはこちらを参考に。
拝啓 厳冬の候 貴社益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
~本文~
今年も変わらぬお付き合いのほどをお願い申し上げます。
敬具
であったり、
謹啓 厳冬の候 皆様におかれましてはますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
~本文~
本年も皆様にとって輝かしい年でありますようお祈り申し上げます。
謹白
*「拝啓」で始まった場合は「敬具」及び「敬白」で終わり、「謹啓」なら「謹白」「謹言」で終わります。拝啓より謹白のほうがより丁寧な言葉になります。
*1月初めの挨拶となる場合が多いので、結びには本年度への気遣いを含めるといいでしょう。
親しい方への手紙の例文
遠くに住む友人、親戚等にはこちらをご参考にしていただければと思います。
拝啓 厳冬の候 皆様いかがお過ごしでしょうか。
~本文~
寒さ厳しき折、お体にお気をつけてお過ごしください
敬具
ビジネス〜のに比べ表現が柔らかくなっています。
この後に紹介する2つの例文は「〜の候」よりもさらにくだけた使い方です。
拝啓 厳冬の折 正月気分もようやく抜けました。皆様穏やかにお過ごしのことと存じます。
~本文~
本年も幸せな年でありますよう皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
かしこ
他には
拝啓 厳冬のみぎり ○○様にはますますお元気でお過ごしのことと思います。
~本文~
朝晩の冷え込みが厳しい季節です。ご自愛専一にてお過ごしください。
敬具
*より親しい相手への手紙で、「~の候」が少し硬く感じられるときは「~の折」「~のみぎり」と言い換えることもできます。
また、「敬具」から「かしこ」と言い換えることができます。
まとめ
新年を迎えた喜びや寒い季節からの相手への気遣いを込めて結びの文にすると季節感のある温かい手紙になります。
正月が明けてからのお手紙も、年賀状とはまた違った良さがありますよね。
ぜひお世話になった方やしばらくご無沙汰になっている方への手紙などにも活用してみてください♪