本格的な冬も極まってくるとつかわれる時候の挨拶に「極寒の候」があります。
見ただけですごく寒い様子がうかがわれる言葉ですが、どのように使用するのが正しいのでしょう。
時候の挨拶は、ビジネスでも私文書でも覚えておいて損はない挨拶文です。
しっかりポイントを押さえておきましょう。
ここでは「極寒の候」の意味や使用時期、具体的な例文をご紹介します。
「極寒の候」読みや意味は?
「極寒の候」は、「ごっかんのこう」または「ごくかんのこう」と読みます。
時候の挨拶は漢語調の挨拶文なので基本的に音読みで読みます。「きょくかんのこう」とは読まないので要注意!
「極寒」の意味は読んで字のごとく「きわめて寒いこと。またその時節」です。
テレビや文章でも「氷に閉ざされた極寒の地では~」や「マイナス40度の極寒の世界」など、いかにも究極の寒さ!といった使われ方ですね。
同じような言葉として「酷寒」が、逆の意味の言葉として「極暑」「酷暑」があります。
「~の候」は「~の季節になりましたが」「~になりました今日この頃」といった「今」を表す言葉です。
あわせて「極寒の候」は「きわめて寒い季節になりましたが」「寒さが厳しい今日この頃」といった意味になります。
吐く息まで凍てつくような空気の冷たさを感じることができる言葉ですね!
「極寒の候」使うのに適した時期は?
ものすごく寒い意味の挨拶である「極寒の候」ですが、使用はいつが適切でしょうか。
暦の上で「冬」は11月7日頃の「立冬」から、2月4日頃の「立春」までとなっています。
その中で最も寒いとされているのが1月5日頃の「寒の入り」から始まる「小寒」「大寒」の時期。
ですので「極寒の候」は1月5日頃~2月3日頃が適切な時期と言えるでしょう。
ただ、年明けからいきなり「極寒」はちょっとムードがないですよね。
1月7日の「松の内」までは「新春の候」や「迎春の候」などの、お正月らしい時候の挨拶のほうがおすすめです。
同じ時期に使われる時候の挨拶には「厳寒の候」「酷寒の候」「寒冷の候」「厳冬の候」「大寒の候」などがあります。
「極寒の候」を使った例文
では「極寒の候」を使った具体的な例文をご紹介します。
ちなみに手紙の基本的な構成は簡単に言うと
- 頭語(拝啓・謹啓など)
- 時候の挨拶(極寒の候など)
- 相手の安否を尋ねる言葉
- 本文
- 結びの言葉
- 結語(敬具・謹白など)
の順番となります。
ビジネス文章での例文
拝啓 極寒の候 貴社益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます。
~本文~
本年もよろしくご指導のほどよろしく申し上げます
敬具
*「拝啓」で始まった場合は「敬具」で終わり、「謹啓」なら「謹白」で終わります。拝啓より謹白のほうがより丁寧な言葉になります。
謹啓 極寒の候 皆様におかれましてはますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
~本文~
本年も変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます
謹白
*1月の挨拶はそのまま年始のご挨拶になることが多いので、結びには寒い季節への気遣いのほかに本年度の挨拶も絡めた言葉を使うといいですね。
親しい方への手紙の例文
拝啓 極寒の候 冷え込みの厳しい季節ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
~本文~
本年も皆様にとって輝かしい年でありますようお祈り申し上げます。
敬具
いいい
拝啓 極寒の候 松の内も開け、皆様穏やかな日々を過ごされていることと存じます。
~本文~
これから寒さもますます厳しくなります。ご自愛専一にてお過ごしください。
敬具
*より親しい相手への手紙で、「~の候」が少し硬く感じられるときは「~のみぎり」「~の折」と言い換えることもできます。
また結語も「かしこ」と言い換えることができます。
拝啓 極寒のみぎり ○○様はお元気でお過ごしのことと存じます。
~本文~
○○様にとって幸多き一年になりますようお祈り申し上げます。
敬具
候→みぎりを置き換えるだけです。
拝啓 極寒の折 今年のお正月はいかがお過ごしでしたでしょうか。
~本文~
これから寒さも本番です。どうかお体を大切にお過ごしください。
かしこ
松の内過ぎての年始の挨拶となることもある「酷寒の候」厳しい寒さの中に温かい気遣いを添えて手紙にしたいものですね♪
親しい方やお世話になった方へのお手紙にぜひ活用してください♪