文化,風習、そして風俗なんていうものは時代とともに変わり、ときにはその本来の意味を失ってしまうことさえあります。特に、昨今では鉄道マニアを意味する”乗り鉄”や””撮り鉄”、歴史好きの女性を意味する”歴女(れきじょ)など省略され、単語化された時点で音的だけではなくて、何だか新しい何かが始まったような感じがします。
そんな時代に流されない歴史あるお寺、浅草寺と御朱印について。
長い伝統を有する浅草寺
さて、東京は台東区に浅草寺というお寺があります。都内最古のお寺とされ、645年の大化元年に建立されたとのこと。なるほど確かに立派なお寺です。以来、変わらず、しかしながら、仏教が伝来し、神仏混合やキリスト教伝来、そして廃仏毀釈などの我が国の宗教的な大きなうねりを乗り越えて現在に至ると想像に難くないと思われます。
当初は天台宗に属していたが、第二次大戦後、聖観音宗の総本山となりました。
「浅草観音」あるいは「浅草の観音様」といわれ、昔からいままで人々に広く親しまれています。
そして現在では観光地としても世界的にも有名。浅草寺だけではなく、本堂に続く仲店通りは日本で一番古くて、歴史ある商店街の一つです。
他にもこの辺には五重塔、雷門、劇場や映画館に花やしき、昨年末にオープンした「まるごとにっぽん」など東京らしい”東京”を感じられるスポットがいっぱいです。
話がそれましたが(笑)
御朱印って?
これは本来、書経といって、お経を書き写したものをお寺に納め、その証として寺や神社から発行されたもので、そのお寺や神社のご本尊様、神様の分身として、とても御利益があるとされていました。
それが一枚、一枚手書きされていること、勿論、すべてをその場で書くのではなく、日付以外の大部分はあらかじめ用意されているのですが、昨今のコレクションブーム、それに数字や論理ではない、スピリチュアルなことが好まれる傾向と相まって、”御朱印ガール”なる言葉が生まれるくらいブームとなっているのです。
ところが、前述の浅草寺、渡される御朱印とともに「ただ、それを収集するだけでは意味がなく、せめて、般若心経や観音経くらいには目を通すべきではないか?」という主旨の紙も配って、その本来の意味、意義を啓発され、安易なブームには警鐘を鳴らしています。
もちろん、こうしたブームにはよく言われる、周りへの経済的な効果があることは大いに認識すべきであり、だからこそ、お寺サイドとしては単に世間の流れに乗るばかりでなく、本来的な意義も指摘することでより深い理解につながればとの意思があってのことでしょう。
どこで頂けるの?
というわけで、この歴史と由緒ある浅草寺、本義からご本尊へのお参りは勿論ですが、寺院内にはいろいろな仏像や建築物など見所たっぷり!!有名な雷門をくぐれば、そこはもう別世界です。
さて、肝心の御朱印ですが、院内の影向堂にある授与所で9時から17時の間にいただくことができます。
ご本尊である「聖観世音菩薩」と「浅草名所七福神 大黒天」の2種類あり、どちらかを選んでいただけます。1部¥300。価格的にはとてもお値打ちです。
昔のように信仰の証ではなく、入門証としてでもやっぱり欲しいですよね。
もちろんきちんとお参りしましょう。信仰あっての御朱印ですから!!