本日、ご紹介する人物は昭和の天才駒師の宮松影水(みやまつえいすい)さんです。
現在人気の将棋ですが使われる駒の中でも最高クラスの人気を誇る駒を作っていたという職人の宮松さん。
ここではその経歴の他、彼が制作した駒の現在の価格まで調査していきたいと思います。
宮松影水の経歴
宮松影水(みやまつえいすい)
出典:http://8ya.net/suiki/meiko/eisui/
本名 :宮松幹太郎(まつみや かんたろう)
出身地 :東京都文京区
生年月日 :1928年10月7日生まれ
没年 :1972年 (享年44歳)
時は戦前の昭和3年、棋士であった父宮松関三郎七段の長男として生まれました。
父の宮松関三郎の実家は宮大工で幼いときから関三郎は才知にすぐれ手先も器用だったんだそうです。
関三郎は宮大工の修業で東京に出てきたが、将棋が強くのちにプロ棋士になったという経緯の持ち主なんです。
関三郎は太平洋戦争が始まる頃に棋士であると同時に駒師だった友人が亡くなり、その駒木地を譲り受けて駒作りを始めました。
そこで影水は家業となった駒作りを手伝うようになりました。
当時は戦時中だったと思うのですが、その頃にも将棋の駒が作られていたんですね。
1947年に父の関三郎が心臓マヒで急死、当時は大学に通いながら駒作りを手伝う程度でしたが大学を中退して本格的に家業の駒作りをしていくことになり、注文受けの駒作りしていきました。
駒作りに関して父親以外に教えを受けた事がなかった影水は、駒作りはをほぼ独学で学んでいきました。
もともと研究熱心でいて凝り性だった影水は図書館へ行き書体の研究をしたりするなど独自に努力を重ねその型が「影水流」といわれるようになりました。
1972年(昭和47年)に肝硬変に倒れて43歳で逝去されました。
宮松影水作の駒の値段は?
出品されていた値段を見てびっくりしてしまいました。
デッドストックで約300万円・・・
盛り上げ駒というランクの高い作り方の新品で残っているものはこんな値段なんですね。
今”盛り上げ駒”という種類が出ましたが、ここで1度かんたんに駒の種類に触れておいた方がよいかもしれません。
書き駒
木地の表面に直接漆を書き込んだもの。現在ではほとんど生産されていない。簡易であるため普及品などに使用される[4]。 彫り駒
木地を彫った部分に漆を塗ったもの。普及品から中級品として用いられる。 彫り埋め駒
木地を彫った部分に、漆を木地の高さまで埋め込んだもの。高級品である。 盛り上げ駒
漆を木地の高さよりさらに盛り上げて作ったもの。最高級品で、タイトル戦にも用いられる。
駒のランクとしては盛り上げ駒>彫り埋め駒>掘り駒>書き駒という風になり、値段も一般的にはこの順番になっています!
ちなみに盛り上げ駒は制作に3~5ヶ月かかることもあるほど手間がかかるのだそうです。
影水の駒は生前、盛り上げ駒で大体1万~3万円ほどで、最高の木地を使ったものでも5万円くらいだったのだそうです(当時の価格)。
5万円といっても、当時の貨幣価値で考えると
昭和40年の1万円は平成28年の約2.0万円に相当する計算になります。また、消費者物価指数では約4.1倍なので、約4.1万円に相当するという計算になります。
ということから当時5万円の駒を現在貨幣価値に直すとそれでも10万円~20万円程ではないか?と思われます。
現在、影水の駒は中古市場でも「盛り上げ駒」がおよそ120万円ほど、「彫り埋め駒」でも値段は70万円以上が相場なのだそうです。
将棋の駒の値段は何で決まる?
そもそも将棋の駒の値段の高さは
- 素材
- 木目
- 文字の書き方
- 作者
という要素があるのですが、影水の駒の価値は”文字の書き方”と”作者”の希少性によって高まっているんですね。
その中で素材がよく木目が美しいものはさらにお値段が高い!ということでしょう。
まとめ
「駒はできたときがいちばんいいというわけだもないんだ。年数がたって磨り減って傷んでも、作り直すともっとよくなるんだ」
これは影水の言葉だそうです。
影水の駒はもの凄い高級である事はわかりましたが、この言葉に沿うなら今後影水の駒はもっと値上がりしていく可能性が高そうな気配。
将棋はいい駒を使うと集中力が高まり、上達が早くなる!
と言われる事もあるそうですよ。
もしこれからはじめるなら”いい駒”をかうのが上達の近道かもしれませんね。