都会に住んでいると普段スーパー以外ではまず目にする事はありませんが、里山などではその辺に自生しているキノコ。
食べれられるものから毒キノコまで日本には約1500種あると言われていますが、その中で「少量でも食べると死ぬような強い毒を持つ種類」、いわゆる毒キノコは約50種類あるといわれています。
ここではそのなかでも最強な毒キノコTOP3を紹介します!
第1位 ドクツルタケ
出典:Amanita virosa – Destroying Angel
最強ランキング1位はドクツルタケ!
日本で見られる中で最も危険な部類に属する毒キノコと言われています。
地方によっては「テッポウダケ」「シロコドク」と呼ばれ、ハラタケ科の白い食用キノコと間違える可能性があるので、特に注意が必要です。
欧米ではデストロイエンジェル(Destroying Angel)別名「破壊の天使」と言われ、真っ白なその風貌から異名が付いたと思われますが、それはまさに、白衣の悪魔です。
縦に割けることから食用と勘違いする方が多いようですが、この「縦に割けるキノコは食べられる」には何の根拠もありませんので、ご注意ください。
ドクツルダケの毒性は猛毒の環状ペプチドで、わずか一本(約8グラム)で、大人一人の命を奪ってしまいます。
日本のキノコ中毒による死亡の大半がこのドクツルタケによって起こっています。
早期に胃の洗浄や血液透析などの適切な処置・治療をしないと、確実に死に至る恐ろしいきのこです。
第2位 タマゴテングダケ
出典:片栗の花
日本では北海道以外にはあまり発見されることはなく、本州以南の地域で見つかることは殆どありません。見た目がよくある普通のきのこなので、誤って食べると大変なことになります。
やはり24時間以内に腹痛・下痢・嘔吐が起こり、それから数日して肝臓、腎臓等の内臓を破壊して、極めて高い確率で死に至らしめる猛毒のきのこです。
第3位 ドクヤマドリ
出典:北海道キノコの会
ドクツルダケやタマゴテングダケと比較すると毒性は若干弱まりますが、それでも十分に死に至る可能性の高い毒キノコなので注意が必要です。
なんと言っても大きくて、一見肉厚で美味しそうで、食べごたえがありそうなだけに怖いので、ここに注意喚起を促す意味でもランクインしました。
パンパンに膨らんだお饅頭のような、このドクヤマドリ。現在の所、日本でのみ発生が確認されており、特に富士山のシラビソ林に夏から秋にかけて多く発生しています。
番外編 カエンタケ
出典:きのこ図鑑
近年、奈良県で大量発生したのが確認されているこちら。
その名の通り燃え上がる火のような型をしたキノコで見た目からして怪しいので食べてしまう事はまずないと思いますが、これが非常に危険!皮膚刺激性もあり触っただけでも皮膚炎を起こしてしまいます。
食した後に回復したとしても、言語障害や運動障害や脱毛などの後遺症が残る危険性も高いという危険度の高いキノコです。
最強といえばこちらかもしれませんが、見るからに危険でまず食す事はないと思われるので番外編とさせていただきました。
最後に
余談ではありますが筆者の父は「自称、きのこ博士」と豪語し日々独自の研究をしておりました。
もうかなり昔の話になりますが、ある日、調べに調べた結果、食用と判断し、天ぷらにして食した所、直後に不気味な笑みを浮かべ家中を走り回り、全裸になり、お湯のはっていない浴槽に入り、ぶるぶる震えていたとのことでした。(一緒にいたけれど、食べなかった母から聞いた話です。)
幸いにも大事には至らず、その後症状は治まりましたが、念のため病院に行ったところ、食べたキノコは「ワライタケ」というキノコで、毒性はさほど強くないため、誤って食べても体内で毒が徐々に分解されるため、症状は消えていき後遺症も残らないとのことでした。
いずれにせよ、“火を通せば大丈夫”とか“煮こぼしたら毒性が激減する”などと言う事はほぼありえな
いことですので安易に判断して食すことは大変危険な行為です。専門家ですらあまりの数の多さから全種類の毒キノコを把握するのはとても難しいと言われています。素人判断は絶対に禁物です。
明らかに鮮やかな見るからに毒キノコとわかるものは誰しも手を出しませんが、迷った時は、研究者でもない限り、触らない!採らない!食べない!この三原則を是非とも守るべきかと思います。そして、これが自分の命や家族の命を守ることにもなるわけですので。
お子さんを連れてキノコ採りに行ったときは特に注意が必要です。子供は好奇心旺盛ですので、ついつい触ったり採ったりしたくなるものです。決してお子様から目を離さないでください。
配慮を怠らず注意しながら楽しいキノコ採りにしたいものですね。