季節の変わり目や体調不良などで咳や痰が続いている。わざわざ病院にいくのも面倒と放っておくと、気が付いたら2か月も…などという人もいることでしょう。
咳や痰の原因はほこりや花粉などのアレルギー性のものから、ウイルス感染によるものなどさまざまです。
そんな咳や痰の役割と、続くときの対処法、気を付ける点、痰を出す方法をご紹介します。
咳・痰の役割と原因
咳はほこりや花粉などのアレルギー物質や、ウイルス、細菌、または煙などの異物から肺や気管支を守るために出る身体の防御反応です。
また、気道に溜まった痰を外に出す働きもします。ウイルスや細菌の侵入が防ぎきれないと、喉は炎症を起こし痛みが生じます。
痰は、肺と気管支から出る粘液でできています。喉に異物があったり、ウイルス感染等で白血球の死骸が出るとそれらをからめとって外に排出するために分泌が増えます。そして咳で排出させるという仕組みになっています。
空気が乾燥していると喉も乾いてしまい粘膜のバリア機能が薄れてしまいます。そんな粘膜にウイルスやちいさなホコリが付着し炎症の原因になります。
また、ストレスや体調不良も咳の原因になります。
ストレスや体調不良で免疫力が低下して、粘膜のバリア機能が薄れてしまいウイルスの侵入を許してしまうのです。
咳、痰が続くときの気を付ける点と対処法
咳や痰が続くと、なかなかつらいものです。咳・痰を止める方法をいくつかご紹介します。
空気が乾燥していると咳の原因になります
冬場など乾燥が考えられるときは加湿器等で部屋を加湿しましょう。
粘りが強くのどに絡む痰がある時は、水分を多めに摂取すると柔らかくなり切りやすくなります。喉を潤すために吸入器を使うのも効果があります。
温かい飲み物をゆっくり飲むと咳をしずめます。
冷たい飲み物は気管支の血管が収縮し、咳を誘発することがあります。
また、激辛料理など刺激の強い食べ物は痰を増やすので控えましょう。
タバコも喉や気管支を刺激し痰を増やします。痰を切りたいときはタバコを控えましょう。
咳止めとして効果が期待できるのは、『はちみつ』です。はちみつには殺菌作用があり喉の炎症をしずめてくれます。また、粘度が高く保湿効果があるのでのどの保護をしてくれます。
また、「キンカンのど飴」で有名なキンカンも、喉の痛みをやわらげ咳を止める効果があります。そのほか、梨やユリ根、ショウガなどにも咳をおさめて、痰を減らす効果があります。
是非食事の中に取り入れてみてください。
痰の上手な出し方と、病気の可能性
痰は、喉や気管支にある細菌、ホコリなどの異物を外に排出するためのものです。ですから、無理に我慢せず、出してしまったほうがいいのです。
痰の出し方
- 横向きに寝て、下側の手を上側の脇の下に挟みます。
- 深呼吸を行います。
- もう吸えないところまで吸い、胸が広がっているのを感じながらゆっくり吐きます。
- そのまま痰が上がってくるのを待ちます。
- 起きて(寝たままでも良いです)大きく息を吸い勢いよく吐きます。このとき両手を脇の下に挟み、吐くのに合わせて押さえます。
- 大きく息を吸い、「ゲホン!」と咳をして痰を出します。(1回につき3回ほどでやめる)
長引くときは?
たかが咳くらいと放っておいたらもう3週間も続いている・・・こんな風に長引いているときは気を付けましょう。
ただの風邪ではない可能性があります。咳と痰が続く病気には以下のものが考えられます。
咳+痰が白・黄色・透明・緑色の時の病気
ウイルスや細菌の感染で、気管支や肺が炎症を起こしている場合が多く、気管支炎、副鼻腔炎、びまん性凡細気管支炎、緑膿菌肺炎が考えられます。これらは風邪から併発して慢性化する場合や、免疫力の低下で引き起こされている場合などがあります。
また、アレルギー物質によるアレルギー性気管支炎や、長年の喫煙が原因で起こるCOPD、気管支喘息・咳喘息も長期的な咳と透明~薄黄色の痰が特徴です。
咳+痰の色に血が混じる場合
痰の色が、ピンク・茶色・黒などの場合は、喉・気管支・肺のどこかで出血していることが推測されます。
喉の出血だとピンクっぽく、気管支の奥からの出血だと茶色~黒っぽい痰がでます。
痰に血が混じる場合は、気管支拡張症、肺結核、肺がんなどが考えられます。
この場合、すぐに病院に行き検査が必要です。特に肺結核と肺がんは近年患者数が増えている病気です。
初期症状は咳が続くことで、風邪と勘違いされがちですが、2週間以上続く場合は早急に検査したほうがいいでしょう。
まとめ
咳や痰が続く場合はお酒、タバコ、辛い物など刺激物は我慢しましょう!
水分を多めにとって痰にはサヨナラしてゆっくり休んで下さい。
喉、そしてカラダにやさしくしてあげてくださいね。
それでもどうしても止まらない場合は病院にいきましょう。