以前、テレビ番組で取り上げられた「白いんげん豆ダイエット法」。
しかし番組内で紹介された調理法を試した人が、食中毒の症状を起こし問題になりました。
食中毒の原因は何だったのでしょうか。その症状は?また、白いんげん豆の効果や安全な調理法は?白いんげん豆についてまとめてみました。
白いんげん豆とは?
あまり聞きなれませんが、白いんげん豆とはどんな豆なのでしょう?
白いんげん豆は普段、金時豆や甘納豆に使われる白い大豆のほかに、うずら豆や手亡豆など色の白い豆全般を指します。
フランス料理などでも煮込み料理によく使われる食材です。実は結構馴染みのある食材なんですね!
白いんげん豆は、豆類特有の豊富な栄養素を持っています。タンパク質や食物繊維に加え、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラルを豊富に含んでいます。
また、ごはんやパンでは取りにくい必須アミノ酸リジンや、美容に良い大豆ポリフェノールなども含まれ、健康食材として多くの人に愛されています。
さてその中でもダイエットに良いと注目されたのがファセオラミンという消化酵素です。
これは体の中でα―アミラーゼがブドウ糖を分解するのを阻害して、ブドウ糖の吸収を妨げる効果があります。
白いんげん豆ダイエットはこのファセオラミンに目を向けたダイエット法なのです。
白いんげん豆食中毒の症状と原因
番組で紹介された「白いんげん豆ダイエット」は、豆をフライパンで3分ほど炒って粉にしたものをご飯にかけて食べる。というものでした。
しかしこれを試した視聴者からは、嘔吐や下痢、腹痛を訴える声が多数上がりました。
白インゲン豆だけではなく一般的に豆には若干ですが毒が入っています。
加熱せず食べると下痢をしてしまうので豆を生で食べないのはそのためなのです。
過熱していない白いんげん豆にはレクチンという糖タンパクが含まれています。
このレクチンは胃腸の粘膜に炎症を起こします。
摂取から1~3時間で激しいおう吐、下痢、それにともなう腹痛の症状が表れます。
ただ、重篤化することはなく数時間で症状は治まり回復します。
レクチンは生の状態だと活性化していて症状が出ますが、火を加えると無毒化します。
しかし3分炒っただけでは中まで十分火が入らず、レクチンが無毒化されなかったことが食中毒の原因であると考えられます。
大阪府の公衆衛生研究所の実験によると、細かくした生豆を250℃のオーブンで5分加熱しても、レクチンの活性化が残っており、10分加熱で無毒化したとのことです。
また、福岡市の保健環境研究所での実験でも、豆の乾煎りを5分しても生豆と同じレクチン活性が見られ、15分加熱でやっと無毒化が確認されたそうです。
これらの実験からでも3分炒っただけでは全く過熱が足りないことが分かりますね。
白いんげん豆、安全に食べるには?
今までのことから、やはり十分な加熱が大切だということが分かります。
炒るのではなく、沸騰したお湯で煮込む方がまんべんなく火が入り10分ほどで無毒化するようです。
また、硬い乾燥豆は先に十分水に浸して、豆を柔らかくしておくと火の入りもよくなります。
参考として、基本的な煮方をご紹介します。
- 洗った豆を一晩(8時間ほど)水に浸し、豆が水を吸って少し大きくなったら、まず3分ほど煮ます。
- アクが出るので一度ザルにあけ、再び水を入れて(豆の3倍の量)弱火で40分ほど煮ます。
- 火を止め、蓋をしたまま30分ほど放置します。
- そうすると中まで火が入り柔らかく煮上がります。
(豆の大きさによって火の入りが変わるので調節してください)
実はダイエットにいいとされるファセオラミンは、大量に摂取しなければ効果が無いうえ、熱を加えると壊れてしまうという説もあり、あまりダイエットの意味はないようです。
ファセオラミンはサプリが出ていますので、サプリで取った方がよさそうですね。
まとめ
白インゲンを食べる事によるダイエットの効果はあまり期待しない方が良いのではないかと思われます。
運動をすること、食生活を見直していく事にプラスしてファセオラミンをサプリメントで摂取していく。
といった風にダイエットのメインとしてではなく、メインの方法のサポート的に使うのがよいかと思います。