桜が葉桜に代わり、日差しもますます強さを増すころの時候の挨拶に「晩春の候」があります。
時候の挨拶は手紙やビジネス文書の冒頭で使う季節の挨拶のことです。
季節ごとに使う言葉が変わりますので、言葉の意味とその時期をしっかり押さえておきましょう♪
「晩春の候」の意味や使用時期、そのまま使える具体的な例文をご紹介します。
「晩春の候」意味や由来は?
「晩春の候」は「ばんしゅんのこう」と読みます。「晩春」は春の季語です。映画のタイトルにもありますよね。
晩春とは、春の終わりを指す言葉です。
春は「初春」「仲春」「晩春」の3つに分けられますが、その最後の季節に当たります。
「~の候」は、「~の季節になりましたが」や「~を迎えた今日この頃」という意味なので
合わせて「春も終わりの季節になりましたが」ですとか「いよいよ春も終わりを迎えた今日この頃」といった意味になります。
桜が散り、木々の青葉の香りが一層爽やかに感じられる。そんな季節の言葉ですね♪
「晩春の候」使うのに適した時期は?
「晩春の候」は春の終わりに使用しますが、具体的に「春の終わり」はいつでしょう。
二十四節気で、「春」は立春(2月4日頃)から立夏までとなっています。
その中で「晩春」は清明(4月5日頃)から立夏(5月6日頃)までに相当します。
しかし、清明の4月5日頃は、まだ桜が満開の時期です。このころは「桜花の候」など桜を感じさせる言葉のほうがいいでしょう。
以上のことから
「晩春の候」は桜が散るころから、5月の初旬までが使用時期になります!
東北の北部では桜は4月末あたりの開花のため少し使いづらいかもしれません。
そんな場合
同じような時期に使う時候の挨拶として、「惜春の候」「残春の候」「暮春の候」などがあります!
「晩春の候」を使った例文
きちんとした手紙の構成は簡単に言うと
- 頭語(拝啓・謹啓など)
- 時候の挨拶(晩春の候など)
- 相手の安否を尋ねる言葉
- 本文
- 結びの言葉
- 結語(敬具・謹白など)
の順番となります。
「晩春の候」をこの流れに沿った例文でご紹介します。
ビジネス文章での例文
対会社宛にはこちら
拝啓 晩春の候 貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
~本文~
春光麗らかな好季節、貴社の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。
敬具
取引先担当者様などにはこちらがいいでしょう。
謹啓 晩春の候 皆様にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
~本文~
新年度を迎え、皆様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
謹白
*「ご清栄」は相手の健康や繁盛を、「ご盛栄」は商売の繁盛を祝う言葉です。
さりげなく使い分けるのもいいですね。
その他にも
- 花冷えの時節柄、くれぐれもご自愛ください
- 今後ともご支援ご厚情を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
- 新天地での一層のご活躍をお祈り申し上げます。
など、結びの言葉は相手の健康や環境の変化、新年度への気遣いを添えると好印象です。
しかし、ビジネス文書の場合、結びを省略することも多いようです。
親しい方への手紙の例文
どんなお相手にでも使いやすい例文です。
拝啓 晩春の候 行く春を惜しむ季節となりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
~本文~
春雨で体調を崩されぬよう、どうぞご自愛ください。
敬具
こちらはさらに柔らかい表現になっていますね。
拝啓 晩春の候 皆様、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
~本文~
陽春のみぎり、どうぞお健やかにお過ごしください。
敬具
*より親しい相手への手紙で、「~の候」が少し硬く感じられるときは「~の折」「~のみぎり」と言い換えることもできます。
また、「敬具」も「かしこ(女性のみ)」と言い換えることができます。
拝啓 晩春の折 花の盛りも過ぎましたが、皆様お変わりございませんか。
~本文~
連休まであとわずか。お風邪などひかれませんようお元気でお過ごしください。
かしこ
ですとか
拝啓 晩春のみぎり ○○様はいかがお過ごしでしょうか。
~本文~
新たな環境で何かと大変でしょうが、どうぞお体を大切に。
敬具
このようにして使う事ができます!
より詳しく知りたい方にはこちらがオススメです。
まとめ
晩春は、春の終わりを惜しみつつ、若葉の季節を迎え初夏への期待が膨らみます。
この時期は新たな環境で頑張っている人も多くいることでしょう。
そんな方へ、「晩春の候」を使って気遣いの手紙を出すのもいいですね♪