「紅葉の候」その時期、意味と由来!使い方や例文は?

秋になると手紙や文書の冒頭で「紅葉の候」という時候の挨拶(季節を感じさせる冒頭文)を見かけるようになります。時候の挨拶はその季節に合ったものを正しく使いたいものですよね。

「紅葉の候」は、なんとなく秋に使うことは分かっても、具体的にいつからいつまで使える言葉なのか?そしてその意味は?改めて考えるとよくわからなかったりしませんか?

時候の挨拶を覚えると、ビジネスシーンや目上の方への丁寧なお手紙を書くときにとても役に立ちます。

秋の挨拶「紅葉の候」の意味や読み方、「紅葉の候」を使った手紙の例文をご紹介します。

「紅葉の候」の読み方、意味、由来

紅葉の候は「こうようのこう」と読みます。「~の候」とい言葉は中国の漢語から来ていますので、「紅葉」も音読みで読むのが一般的です。
他の時候の挨拶「早春の候」や「残暑の候」なんかも基本はすべて音読みですね。

けれども「紅葉」は訓読みである「もみじ」も馴染みが深い読み方ですよね。
「紅葉」を見て「もみじ狩り」や「もみじ饅頭」を思い浮かべた人もいるのではないでしょうか?ですので、「もみじのこう」と読んでも日本語的には間違いではないようです。

「紅葉」を「もみじ」と読む由来は、もともと葉が色づく様子を「揉みづ(もみづ)」と表していたことから始まります。
「紅葉」は「イロハモミジ」や「ヤマモミジ」だけでなくイチョウやムクロジ、ケヤキなどの広葉樹全体の様子を指しているというわけです。当に山全体が染まる秋の感じが想像できますね。

「候」には、「今、まさにこの季節を迎えましたが」という意味が込められています。
ちなみに「候」は「みぎり」や「~の折り」などにも言いかえることができます。

「紅葉の候」は「今、まさに木々が色づく季節を迎えましたが」といった意味だということですね。

「紅葉の候」使うのにふさわしい時期は?

紅葉の、ですからもちろん秋の言葉です。秋は新暦では「9~11月」頃を指します。
けれども9月はまだ紅葉はほとんど始まっていませんので、使うのは不適切です。

「紅葉の候」は寒露(10月8日頃)の山が色づき始める時期から、霜降(10月23日)の白い霜が降り山の紅葉も深くなる時期までが適当といえるでしょう。

簡単にいうと「10月いっぱい」といった感じでしょうか。11月に入ると秋が終わりを迎え冬の準備に入る時期ですから、紅葉の候の「木々の葉が色づく季節に~」という意味と、ちょっと離れてしまいますよね。

山や街路樹の木々たちが装いを変えてゆく様を見て、しみじみと「ああ、秋も本番だなあ」と感じる気持ちを手紙にのせる、とても素敵な言葉ですね♪

「紅葉の候」を使った例文

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手紙のセオリーとしては、頭語(拝啓・謹啓など)の次に時節の挨拶、そして相手方の安否を気遣う挨拶が続きます。

  • 拝啓 紅葉の候 皆さまいかがお過ごしでしょうか。
  • 謹啓 紅葉の候 貴社におかれましては益々のご清栄のこととお慶び申し上げます。
  • 紅葉の候となりましたが皆様ご壮健のことと存じます。

親しい間柄で、もう少し柔らかい文面にしたいときは、紅葉の候を言い換えて使うこともできます。

  • 拝啓 紅葉が美しい季節になりましたが、皆さまお変わりなく過ごされていることと存じます。
  • 紅葉の折り、朝は肌寒く感じる季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

そして手紙の最後、結びには相手の身体を気遣う言葉と、頭語があるときは結語を入れます。

(頭語が「拝啓」の場合)
季節の変わり目ですので体調にお気をつけてお過ごしください 敬具

(頭語が「謹啓」の場合)
朝晩が冷える季節です。どうぞご自愛ください 謹白

気遣う言葉には秋が深まってきた様子を感じさせる文を入れると季節感があって良いですね。

「紅葉の候」のほかに「錦秋の候」「仲秋の候」「清秋の候」「秋冷の候」なども10月に使える時候の挨拶です。
自分の感じた秋の様子で使い分けてみるのもいいですね。

 

まとめ

流れとして

  1. 頭語→時候の挨拶→相手への安否伺い(健康や発展を祝う言葉)
  2. 本文
  3. 締めの挨拶(相手をねぎらう言葉)→結語

この順番を頭に入れておけば、応用で色々な文書や手紙に使えますよ。

ぜひ活用してみてください♪

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